共溶媒分子動力学法に関する手法 (2019/04-)

共溶媒分子動力学 (mixed-solvent molecular dynamics; MSMD) 法は、 タンパク質を溶質、水分子と共溶媒分子を溶媒とした分子動力学 (molecular dynamics; MD) 法です。 共溶媒分子がタンパク質表面のどこに、どの程度存在したか?という情報を基にホットスポット検出や結合親和性評価を行ったり 共溶媒分子によってタンパク質構造の変化が誘発されることを利用したcryptic結合部位(隠された結合部位)発見などに活用されています。

このMSMD法について、様々な提案を行ってきています。

共溶媒分子セットの構築 (EXPRORER)

詳細はこちらをご参照ください。

共溶媒の相互作用プロファイルの設計 (Inverse MSMD)

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アミノ酸を共溶媒としたMSMD (AAp-MSMD)

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フラグメント分割に基づく高速な化合物プレスクリーニング手法の開発 (2014/04-2019/03)

タンパク質の3次元構造を用いたバーチャルスクリーニング (Structure-based virtual screening, SBVS)の計算量を抑えるため、化合物群をあらかじめ削減すること(プレスクリーニング)が多く行われています。これについて、タンパク質の3次元構造に基づきつつも高速に化合物を評価するプレスクリーニング手法Spressoを開発しています。

Spresso

  • Keisuke Yanagisawa, Shunta Komine, Shogo D. Suzuki, Masahito Ohue, Takashi Ishida, Yutaka Akiyama: “Spresso: An ultrafast compound pre-screening method based on compound decomposition”, Bioinformatics, 33: 3836-3843, 2017/12 [open access]
  • Keisuke Yanagisawa, Shunta Komine, Shogo D. Suzuki, Masahito Ohue, Takashi Ishida, Yutaka Akiyama: “ESPRESSO: An ultrafast compound pre-screening method based on compound decomposition”, The 27th International Conference on Genome Informatics (GIW 2016), 7 pages, 2016/10

半教師付き学習を用いた薬物クリアランス経路予測 (2013/04-2015/08)

薬物化合物の分子量 (MW)、分配係数 (logD)、血漿中タンパク質非結合率 (fup)などを計算し、これらの値を利用してヒト体内のどのような代謝・排泄経路(クリアランス経路)を通過するかを予測します。

Clearance

この予測問題は「ラベル付け(クリアランス実験)のコストが非常に高く、ラベル付けされていない化合物構造は大量に存在している」という性質を持っています。 したがって、一般によく用いられる教師付き学習ではなく、ラベル付けされていないデータも利用することの出来る半教師付き学習が予測に適していると考えられます。

SL_SSL

  • Keisuke Yanagisawa, Takashi Ishida, Yutaka Akiyama: “Drug clearance pathway prediction based on semi-supervised learning”, IPSJ Transactions on Bioinformatics, 8: 21-27, 2015/08 [open access]